ジャンヌ・ダルク(1412-1431)は,神の啓示を受けたのち,わずか17歳でフランス軍に従軍し,百年戦争の重要な局面に勝利をもたらした英雄と言われています。
- 神の声を聴き,フランスを救った英雄
- 19歳という若さで他界
- たった2年で歴史に名を残し、死後500年後に聖人と認定される
この記事では、ジャンヌ・ダルクの生涯について簡潔にまとめてみました!
ジャンヌ・ダルクの生涯
(生い立ち)神の声を聴くジャンヌ・ダルク
ジャンヌ・ダルク(1412-1431)英: Joan of Arc
身長 | 1m58cm |
出身 | フランスで農夫の娘として生まれる (5人の兄弟姉妹) |
1424年,ジャンヌ・ダルクは12歳のときに神の声を聴きます。その内容は,「イングランド軍に勝利した後に,ある人物をフランス王位に就かせること」でした。
ジャンヌ・ダルクは神の声を聴いたとき,目の当たりにした天使や聖人のあまりの美しさに,姿が見えなくなると泣き崩れたそうです。
周囲の人物に「神の声」について語ると嘲笑されたジャンヌ・ダルク。しかし,ある戦争の結末を予言したことで,周囲から信用を寄せられることになりました。
戦場でのジャンヌ・ダルク
ジャンヌ・ダルクは剣を振るよりも旗を持ち,旗手として兵士の士気を上げる役割を果たしていたと言われています。
戦略家または指揮官としても優れており,他の兵士から尊敬を集めていたようです。
まだ幼いながらも戦場に出たことによって,首に矢が刺さったり,投石器の石が命中して負傷した経験もあります。
戦後のジャンヌダルク
戦後,ジャンヌ・ダルクは捕虜として捕らえられてしまいます。
当時は普通であれば,ジャンヌ・ダルクの身内に当たるフランス国が身代金を払って身柄が引き渡されるところですが,フランス国王は交渉に関与しませんでした。
つまり百年戦争に大きく貢献したジャンヌ・ダルクは,身内であるフランス国に裏切られてしまったのです。
その後,ジャンヌ・ダルクの身柄を引き取ったのは,当時に敵対していたイングランド国でした。
ジャンヌ・ダルクは,自身の主張や予言の行為によってキリスト教の異端者とみなされ,証拠や法的根拠もないまま異端審問(裁判)にかけられてしまいます。
ジャンヌ・ダルクの正当性
ジャンヌ・ダルクは,「謙遜,純潔,誠実で良きキリスト教徒」であることが審議の際に宣言されています。
しかし尋問では,ジャンヌ・ダルクの発言が全て不利に働くように仕組まれていたのです。弁護士ですら認めませんでした。
文字の読み書きができないジャンヌ・ダルクは,文書の内容が分からないまま,公式記録からすり替えられた別の宣誓供述書に署名させられてしまいます。
(※宣誓供述書・・・書かれた事実に対し同意を求める文書)
悪質な誘導によって「自分は異端である」と署名させられた結果,ジャンヌ・ダルクは火刑にかけられ命を落としたのです。1456年(亡き後25年),検察官とジャンヌ・ダルクの母の要請で復権裁判が行われ,ジャンヌ・ダルクの無罪が宣告されました。
その後、百年戦争に大きく貢献した英雄として、ジャンヌ・ダルクは亡き後500年後に聖人とされたのです。
おわりに
ジャンヌ・ダルクの生涯(まとめ)
- 神の声に聞き従いフランス軍に従事,勝利を収める
- フランス国に裏切られ,19歳という若さで亡くなる
- 亡き後に無罪が宣告され、聖人とされる
ジャンヌ・ダルクは死後5世紀に渡って現代の研究対象となりました。
これほど長い期間,研究に当てられる歴史上の人物はなかなかいませんね。
「神の声」が事実であれば,約500年前に神が人間に声をかけた直近の歴史といえるのかもしれません。