英語の構文における文型(Sentence Patterns)は、英語の基本的な文の構造を理解する上で重要な基礎となります。
英語には一般的に5つの文型があります。それぞれを簡単に解説し、例文を示します。
主語 | S: Subject |
動詞 | V: Verb |
目的語 | O: Object |
間接目的語 | O1: Indirect Object |
直接目的語 | O2: Direct Object |
補語 | C: Complement |
文型一覧
第1文型(S + V)
主語(S) + 動詞(V) のみで構成され、動詞は自動詞です。補語や目的語を必要としません。
意味: 主語が「動作する」ことを表します。
例文
- She runs. (彼女は走る。)
- Birds sing. (鳥が歌う。)
- The baby cried. (赤ちゃんが泣いた。)
第2文型(S + V + C)
主語(S) + 動詞(V) + 補語(C) の構造。補語は主語を説明・補足します。動詞はbe動詞や状態動詞(seem, become など)がよく使われます。
意味: 主語が「どんな状態か」「どう変化するか」を表します。
例文
- He is a teacher. (彼は教師です。)
- The soup smells good. (そのスープはいい匂いがする。)
- She became angry. (彼女は怒った。)
第3文型(S + V + O)
主語(S)+ 動詞(V)+ 目的語(O)の構造。動詞は他動詞で、目的語を必要とします。
意味: 主語が目的語に「何をするか」を表します。
例文
- I love you. (私はあなたを愛しています。)
- She bought a car. (彼女は車を買った。)
- They play soccer. (彼らはサッカーをする。)
第4文型(S + V + O1 + O2)
主語(S) + 動詞(V) + 間接目的語(Indirect Object) + 直接目的語(Direct Object) の構造。
意味: 主語が「誰に何を与えるか」や「誰に何をするか」を表します。
例文
- I told him the truth. (私は彼に真実を伝えた。)
- He gave me a book. (彼は私に本をくれた。)
- She sent her friend a letter. (彼女は友達に手紙を送った。)
第5文型(S + V + O + C)
主語(S) + 動詞(V) + 目的語(O) + 補語(C) の構造。
目的語と補語は同一のものを指し、補語が目的語を説明・補足します。
意味: 主語が目的語を「どんな状態にするか」を表します。
例文
- The news made him sad. (そのニュースは彼を悲しくさせた。)
- They made him happy. (彼らは彼を幸せにした。)
- We call her Mary. (私たちは彼女をメアリーと呼びます。)
文型まとめ
文型 | 構造 | 例文 |
---|---|---|
第1文型 | S + V | She runs. |
第2文型 | S + V + C | He is a teacher. |
第3文型 | S + V + O | She bought a car. |
第4文型 | S + V + O + O | He gave me a book. |
第5文型 | S + V + O + C | They made him happy. |
英語の文型は、基本的に**主語(S)**が必ず含まれています。
英語の文では、主語が動詞と結びついて文全体の意味を形作るため、主語は文型を定義する上で欠かせない要素です。
主語(S)がある理由
- 英語は主語が明示される言語
- 日本語では主語を省略しても意味が伝わる場合が多いですが、英語では主語がないと文が成立しません。
例:- 日本語: 「走る。」 → 主語が省略されても意味が伝わる。
- 英語: “Runs.” → 主語がないため、文として不完全。
- 正しい文: “She runs.”(彼女が走る。)
- 日本語では主語を省略しても意味が伝わる場合が多いですが、英語では主語がないと文が成立しません。
- 主語が文の基本構造を支える
- 文型は「誰(何)が」「どうする(どんな状態か)」という関係を表します。主語は「誰(何が)」の部分を担うため、主語なしでは文型を定義できません。
例外的なケース
英語の文では主語が省略されることは基本ありませんが、形式的な主語や暗黙の主語が使われる場合があります。
命令文、疑問文、否定文、形式主語などの文が例外として挙げられます。
派生構造
英語の文型は基本5つですが、実際の英語では以下のような複雑な構造も存在します
疑問文: 文型が反転しても、基本の文型が隠れています。
例: Does she run?(彼女は走りますか?) → 基本は S + V です。
否定文: 補助動詞が入ることで変化します。
例: She doesn’t run.(彼女は走らない。)
Sが省略される場合
命令文では主語 “You” が省略されます。
例: Run fast!(速く走れ!) → 暗黙的には S + V。
動詞の種類で形が変わる場合
句動詞(phrasal verbs)や助動詞が入る場合、文型の理解がやや複雑になります。
例: She will give up smoking.(彼女は喫煙をやめるだろう。)
→ 文型は S + V + O に基づいていますが、「give up」が1つのまとまりとして考えられる。