「道は開ける」に登場する数々の名言を読み返せるように要約してみました。
前記事 2~3章の続きとして今回は4~5章。
流し読みで気付きを得られたり、価値観に刺激が与えられる節がほとんどですね!
「道は開ける」名言秒読み(4~5章)要約
この記事では「道は開ける」第4〜5章を要約し、カテゴリー毎に分けて気になる項目から読めるようにまとめています。
(早速4章の初めから見る人は以下のリンクから)
4章の初めから見る
「ヒトの本質」について
108、109、112、113、114、115、121、122、124、126、128、134、138、154、155、156、157、159、174、175、178
「悩み」の原因や改善法
100、101、103、117、118、119、120、123、125、127、129、130、133、136
145、146、147、148、149、150、151、152、153、158、160、161、162、164、165、166、167、168、169、170、172
「不眠症」の原因や改善法
137、138、139、140、141、142、143、144
「うつ」の原因や改善法
「機転を活かす」
104、107、116、163、171、172、173、176、177
(第4章:54項目)(第5章:25項目)
第4章「心の持ち方を変える」
それでは「道は開ける」第4章の要約内容です。
» 「第4章」目次一覧(全54項目)を見る
100 自分が恵まれていることに気づく
ある日、松葉杖で歩いている両足のない男性に出あった。
彼は私を見るなり、明るい笑顔で微笑みかけた。
その瞬間、私は自分を哀れんで悲しみにひたっているのが恥ずかしくなり、元気を出して一から出直す決意をした。
101 飲み水と食料があれば不平を言うべきではない
戦争中に撃墜され、一人で太平洋を三週間も漂流した実業家の言葉。
「私がそのとき学んだのは、十分な食料と飲み水があれば、不平を言うべきではないことだ」
102 うまくいっている9割に意識を向ける
たいていの場合、人生の9割はうまくいっていて、1割はうまくいっていない。
だからもし幸せな気分にひたりたいなら、うまくいっている9割に意識を向け、うまくいっていない1割を無視すればいいのだ。
参照:道は開ける(超訳)
103 自分が受けている恩恵を思い浮かべる
ある国教会の表玄関には「ふだん自分が受けている恩恵を思い浮かべて感謝しよう」と刻印されている。
ふだん生活の中で感謝すべきことをすべて思い浮かべて、自分がその恩恵を受けていることに感謝しよう。
104 明朗快活な態度が健康をもたらす
『ガリバー旅行記』の作者は、絶望の中で明朗快活な態度が健康をもたらすことを発見した。
「この世で最高の医者は、健康的な食生活と明朗快活な態度である」
明朗快活な態度を心がければ、計り知れない恩恵をいつでも無料で享受できる。
105 この世で最大の悲劇とは?
人間は自分が持っているものについてはめったに考えず、持っていないものについてたえず考えてしまいやすい。
この傾向こそが世の中で最大の悲劇になる。
人類の歴史における戦争と病気よりも、多くのみじめな人生の原因といっても過言ではない。
106 問題の数ではなく恩恵の数を数える
問題を抱えて生きているのは一人だけではない。感謝すべきことがたくさんあるのに、不平ばかり言っていないだろうか。
世の中には腕が一本しかなく、顔の半分を負傷しているがけっして不平を言わない人さえいる。
不平を言っていると、仕事だけではなく、健康や家庭、友人も失ってしまうのだ。
107 あらゆる物事の最もいい部分を見る
ある文学者の言葉。
「あらゆる物事の最もイイ部分を見る習慣には、信じられないぐらい大きな価値がある」
引用:道は開ける(超訳)107
108 人生でめざすべきこと
人生で目指すべきことは二つある。
まず、欲しいものを手に入れ、次にそれを存分に楽しむことだ。
二つ目の目標を達成できる人は非常に利口な人だけである。
109 目が見えることに喜びを感じよう
キッチンでの皿洗いがワクワクの体験となったエピソード。
50年間、盲目の女性。かろうじて目が見える程度で、大学の教鞭をとっていたが、彼女は心の中で常に失明を恐れていた。
ある日、彼女は手術を受けて奇跡的に回復し、目が見えるようになった。そしてキッチンで皿を洗っていると、石鹸の泡が小さな虹に見えて皿洗いが楽しくなり、喜びを与えてくれたことを神に感謝した。
私たちは自分を恥じるべきだろう。毎日、美しい世界に生きていながらそれが見えていないので、感動を味わえないのは残念である。
NEXT 110〜
110 前向きに生きる
ある日突然、男は1年間のベッド生活を送ることになり、不安と悲しみにさいなまれた。
そのとき知人がアドバイスした。
「あなたは1年間のベッド生活が悲劇的だと思っているが、そんなことはない。自分を見つめる機会だし、精神的に成長できる」
彼は自分が恵まれていることに感謝した。
愛する娘のこと、読書の時間があること、好きな音楽を聴くこと、おいしいものを食べられること、よい友人に恵まれていることなどだ。それ以来すっかり元気を取り戻した。今では貴重な経験だと語っている。
111 敵を憎まない
敵を憎むと敵に支配されることになる。
敵の支配力は私たちの睡眠、食欲、血圧、健康、幸福にまでおよぶ。
私たちが憎しみを抱いても、敵は痛くも痒くもなく、自分が寝ても覚めても腹が立って収まらないだけである。
112 復讐は有害無益だ
復讐を企てると、相手より自分が苦しい目にあうだけだ。
怒りっぽいことは高血圧な人の特徴である。
イエス・キリストが言った「敵を愛しなさい」は人の道を説くためだけはなく、健康増進に医学的な教えを説くと言う意図があったからかもしれない。
きっとイエスは高血圧や心臓病など、多くの病気を予防する方法を民衆に教えようとしたのだろう。
113 愛に満ちた心はよい表情をつくる
デール・カーネギーはイエス・キリストが語ったことについて、次のように言っている。
「イエス・キリストが語った『敵を愛しなさい』には、もしかすると外見をよくする方法を民衆に教えるという意図もあったのかもしれない」
憎しみのために険しい表情になっていたり、恨みで顔がゆがんだりしている人はどこにでもいるはずだ。
美容に励んだところで、許しや優しさ、愛に満ちた心を持つ効果をちっとも得られない。
敵は相手の容貌が醜くなっていくのを見て、さぞかし満足そうな表情を浮かべるに違いないのだ。
114 自分を大切にする
たとえ敵を愛せなくても、少なくとも自分を愛そう。
敵に感情を支配されないように、自分を大切にすれば、敵に対する復讐心によって生じる不幸な思いを避けることができる。
115 憎しみを捨てる
憎しみは食事すら台無しにする。誰かを憎みながら食事をして楽しい気分になれるだろうか。
聖書にはこう書かれている。
「憎しみに満ちた環境で贅沢な肉料理を食べるくらいなら、愛に満ちた環境で質素な野菜料理を食べる方が良い」
116 謙虚さは成果をもたらす
数カ国語を話せる男性は、商社の駐在員になるために就職活動を行っていた。
ある日、会社から手紙が届いた。
「当社は駐在員の募集をしていないし、たとえ、募集をしていてもデタラメな言語しか書けない人を雇うつもりはない」
彼はそれを読んで激怒し、すぐさま反論の手紙を書いた。
しかし、しばらくして冷静を取り戻し、自分の言語の不十分さを認識して、指摘してくれたことに感謝の手紙を書くことにした。
「先日は間違いをご指摘いただき、ありがとうございました。これを機にもっと勉強します」
すると数日後に面会の通知が届き、就職するまでに至った。謙虚さが成果につながることを彼は身をもって学んだ。
117 敵を許して忘れる
敵を愛せるほどの聖者にはなれないかもしれないが、少なくとも自分の健康と幸福のために敵を許して忘れてしまおう。
もう好きではない人のことを考えて1分たりとも時間を無駄にするのはよそうじゃないか。不当な扱いを受けても、忘れてしまえばどうということはない。
118 誰に対しても敵意を抱かない
政府の経済顧問を務めたある公務員の言葉。
「私を悩ませたり恥をかかせたりする人は一人もいない。私はそんなものをいっさい気に留めないから」
119 誰に対しても恨みや憎しみを抱かない
とある著名人の発言。
「愛国心だけでは不十分だ。誰に対しても憎しみや恨みを抱いてはいけない」
NEXT 120〜
120 崇高な目標を持つ
敵を許して忘れるための方法は、崇高な目標をもつことである。
そうすれば、自分の目標以外のことに意識が向かないので、どんな侮辱や敵意にさらされようとも平然としていられる。
121 誰に対しても怒らない
人は自分が蒔いたものを刈り取る。
すべての人が自分の悪事の報いとして、なんらかの罰を受けることになる。
それを肝に銘じている人は、誰に対しても立腹せず、激怒せず、罵倒せず、叱責せず、攻撃せず、敵意を抱かない。
122 相手を理解して思いやりを持つ
人の言動は、その人の境遇や状況、教育、習慣、遺伝が関係している。
もし私たちが相手と同じ肉体的、精神的、感情的な特徴を受け継いで、さらに人生と同じ経験をしたなら、相手と同じ行動をとるに違いない。
だから相手を非難するのではなく、理解して思いやりを持ち、そんな人間にならなかったことを神に感謝すべきである。
参照:道は開ける(超訳)122
123 心の平安を得る秘訣
聖書を読んで祈りをささげる家庭に育った。
(聖書の教え)
「敵を愛しなさい。自分を呪う相手を祝福し、自分を憎む相手に善行を施し、自分を利用する相手のために祈りなさい」
父は聖書の教えを実践していたおかげで心の平安を得ることができた。どんな権力者も得られなかった恩恵である。
124 思考が人生を作る
ふだん考えていることが人生の成否を分けるのである。
「人間は一日中、心の中で考えているものになる」
人間はそれ以外のものにはならないのだ。よって、人間の最大の課題は正しい思考を選ぶことだ。
幸せな思考は幸せな人生をつくる。病気の思考は病気を招き、失敗の思考は失敗につながる。自分を哀れんでいると、誰からもいやがられる。
125 心配するのではなく検討する
自分の問題について検討する必要はあるが、心配する必要はない。
検討するとは問題の本質を理解して冷静に対処するという意味であり、心配するとは落ち込んでしまうまで思い悩むという意味である。
126 心の持ち方は体力に影響を与える
「心の持ち方」は体力に大きな影響をおよぼす。
精神科医による実例を見てみよう。
あるとき測定した男性3人の平均握力は45キロだった。
そこで、「非常に弱い」と暗示をかけて握力測定すると、平均の3分の1の力となったが、「非常に強い」と暗示をかけると、平均より倍の力が出たのだ。
これが心の持ち方の信じられない力である。
127 思考を変えれば病気も治る
思考には大きな力が秘められている。
成人教育に35年を費やしたある教育者は、多くの人が思考を変えることで心配事を消し、病気を治し、人生を変えてきたのを何百回も見てきたのだ。
128 自分の心を克服する
聖書には「人間は心の中で思っているとおりの人物になる」と書かれている。
また、「自身の心を克服する者は、都市を支配する者より強い」とも書かれている。
129 心の持ち方が人生を左右する
心の持ち方によって天国は地獄になり、地獄は天国になる。
NEXT 130〜
130 心の平安は自分で手に入れる
「収入アップ、友人との再会などは精神を高揚させるから、その後は楽しい日々が待っているとおもうだろうが、そんなことはけっしてない。心の平安を自分にもたらすのは自分しかいない」
131 間違った思考を心から追い出す
「入院患者の5人のうち4人は、精神的ストレスの症状で苦しんでいる」という例がある。
つまり、人生の諸問題にうまく適応できていないことが原因とされるのだ。
膿を体から出すことよりも、間違った思考を心から追い出すことに意識を向けるべきだ。
132 明るく振る舞えば、気分も明るくなる
明るさを失ったとき、それを取り戻す最高の方法は、明るく振る舞うことだ。
人間はどんな出来事が起こったかより、それをどのように考えるかで精神的に動揺する。
133 明るく振る舞って死から逃れた人
重病により、余命1年とされた男性の話。
彼は家族のために保険金が支払われるよう手配し、暗いことばかり考えて周りの人に不幸な思いをさせてしまっていた。
男性は1週間ほど自分を憐んだあと、自分に言い聞かせた。「こんな愚かなことをしてはいけない。わずか1年間だけでも明るく振る舞おう」と。
初めは努力を要したが、明るく振る舞っていると家族も自分も幸せな気分になった。
すると、医師に宣告された余命より長生きし、すっかり健康を取り戻していたのだ。
明るく振る舞うだけで命が助かり、自分も周囲の人も幸せになるのだ。
134 思考を変えれば状況が変わる
物事や周囲の人に対する自分の思考を変えれば、物事や周囲の人が変わるのだ。
人間は自分が求めるものを引き寄せるのではなく、自分がそうであるものを引き寄せるのだ。
人が達成するものはすべて、その人自身の考えの結果である。
人間は自分の思考を高めることにのみ、向上し、克服し、達成ができる。思考を高めようとしないなら、いつまでも弱くみじめなままでいるしかない。
参照:道は開ける(超訳)134より
135 行動が思考を変える
聖書によれば、神は人間に全世界の支配権を与えたが、私が望むのは自分自身を支配することだけだ。
素晴らしいことに、自分の思考、恐怖心、心や魂はいつでも支配できるのだ。自分をコントロールすれば、思考も心の持ち方も変わる。
136 恐怖を闘志に変える
災いの多くは幸せに変えられる。
それに悩む心の持ち方を恐怖から闘志に変えるだけでいいのだ。
137 眠れなくても心配しない
眠れないことが心配なら、一つの事例を紹介する。
ある有名な弁護士は生涯で一度も熟睡しなかった。
彼は自身の不眠と喘息を心配していたが、どちらも治らなかったので、眠れないことを活用したのだ。
夜中まで勉学と仕事に励んだため、大学は優秀な成績で卒業し、その後は史上最も稼ぐ弁護士となった。
生涯で一度も熟睡をしなかったが、健康を維持したまま81歳まで長生きした。
もし不眠について心配していたなら、とっくに健康を損ねて早死にしていただろう。
138 睡眠時間は個人差が大きい
睡眠が体を修復している状態であることは誰もが知っているが、何時間の睡眠が必要かは誰も知らない。
あるイタリア指揮官は1日に5時間、ある大統領は1日に11時間も眠る。
前者は人生の約5分の1しか眠らず、後者は人生のおよそ半分を寝て過ごしたことになる。
つまり、睡眠時間は人によって異なるのだ。
139 眠れないことを気にしない
不眠症そのものより、不眠症について心配するほうが害をおよぼす。
ある男性は不眠症によって、朝になっても疲れがとれない苦しみが二ヶ月も続いた。
医者に相談すると、次のように言われた。
「眠れないなら、それを忘れなさい。眠れなければ朝まで目を閉じて横になりながら休んでいるだけでいい」と。そのとおりにすると、二週間後には眠れるようになり、一ヶ月後には8時間睡眠ができたのだ。
この男性の例は、不眠症について心配するほうが不眠症よりも有害であることを証明している。
NEXT 140〜
140 不眠症ではなく心配性を克服しよう
睡眠研究の第一人者ナサニエル・クライトマン博士によると、不眠症で死んだ人はいないと言う。
不眠症で体力が衰えることはあるかもしれないが、その原因は不眠症ではなく心配性である。
141 祈りは熟睡の条件
熟睡の第一条件は安心感である。
そして祈りが、睡眠を促す最善の方法のひとつだ。
祈りは乱れている心を落ち着け、高ぶっている神経を鎮める最も適切な方法である。
142 全身の緊張を解く
ある医師によると、言葉は暗示のカギであり、もし何日間も眠れないなら、自分が不眠症になるように話しかけているからだという。
全身の緊張を解くには、自分の体にリラックスするように話しかけることが最も効果的だ。
筋肉の緊張は、精神的な緊張に直結するから眠りの妨げとなる。
ひとつ実際に効果があった睡眠方法がある。
両膝の下に枕を敷いて緊張を解き、両肘の下にも小さな枕を敷いて両腕の緊張を解き、目と顎と腕と足にリラックスするように話しかけるのだ。
143 眠れないなら体を疲れさせる
不眠症を治す方法のひとつは、自分を肉体的に疲れさせることである。
十分に疲れると自然に眠れるようになる。
144 眠れなくても死なない
眠れないことが理由で自殺した人は1人もいないし、人は自然に眠れるようにできている。
ある有名な心理学者が、抑うつ状態の男性にアドバイスをした。
「どうせ自殺するなら、英雄のように死んだほうがカッコいいから、倒れて死ぬまで街中を走りなさい」
男性は何度かこれを試したが、走るたびに気分がよくなった。そして3日目には肉体的に疲れ果てて熟睡したのだ。
その後、男性はスポーツクラブへ入会し、競技大会にも参加した。今後もずっと健康で生きていたいと思うようになったそうだ。
145 忙しく過ごせば、悲しみは癒える
何かに没頭していると嘆いている暇がないことに気づく。忙しく過ごしていると、悩んでいる暇などないのだ。
146 人間の脳は一度にひとつのことしか考えられない
なぜ忙しく過ごすと不安がなくなるのか。
心理学の基本的な法則として、どんな優秀な人でも、人間の脳は一回にひとつのことしか考えることができないのだ。
それと同じことが感情にも当てはまる。
楽しいことを思い浮かべてワクワクするのと、悲しいことを思い浮かべて心配することは同時にできないのだ。
147 治療薬としての仕事
どの精神科医も、仕事をしてたえず忙しく過ごすことが精神を病んでいる人たちによく効くことを知っている。
ある男性は妻を失いひどく落ち込んだが、子供たちのために、父親と母親の両方の役割を果たして悲しみを乗り越えた。
たえず忙しく過ごしているうちに心の平安を取り戻したのだ。
148 悲しみを乗り越える秘訣
あるイギリスの詩人が親友を失った悲しみを乗り越える決意を表現した。
「私はたえず忙しく過ごさなければならない。絶望に打ちひしがれて心身ともに衰弱してしまわないように」
参照:道は開ける(超訳)148より
149 暇を持て余すと心配性が忍び寄る
ほとんどの人は特に苦労せず忙しく過ごせる。日々の仕事に励めばいいからだ。
しかし、仕事が終わった後の時間が危険だ。
本来なら幸せを感じるはずだが、心配性という悪魔が忍び寄る。忙しく過ごしていないと、いろんな雑念が入り込んでくるのだ。
ネガティブな感情は激しい力を持っているので、平和で幸福な気分が一掃されてしまうだろう。
NEXT 150〜
150 仕事に専念すれば、安らぎが得られる
活動しているかぎり心配性にならないが、1日の仕事を終えると心配性が頭をもたげる。
心配性を治す方法は、建設的なことを見つけて没頭することだ。自分の仕事に専念すると、人は心が落ち着いて安らぎを感じるのである。
151 悲しみにひたっている時間をなくす
ある有名な女性探検家の話。彼女は世界中を旅して、帰郷するとよく講演をしていた。
あるとき、旅先の墜落事故で夫を亡くし、彼女自身は車椅子生活を余儀なくされた。その後、彼女は車椅子で百回以上も講演を続けていた。
「なぜそんなことをするのか?」と尋ねたところ、「悲しみにひたっている時間をなくしたいから」と答えた。
152 明確な目的を持つ
南極大陸で五ヶ月ものあいだ、小屋で1人で過ごした男性の話。
彼は正常な精神を保つために、いつも翌日の計画を大まかに決めていた。
男性は当時のことをこう振り返る。
「明確な目的がなかったら日々の生活は崩壊してしまっただろう」
「明確な目的がなければ日々の生活は崩壊する」このことは肝に銘じるべきである。
153 忙しすぎて悩む暇がなかった偉人たち
イギリスのチャーチル首相は、戦争中、1日に16時間も指揮をとったが、「あまりにも忙しくて国家存亡の危機を心配している暇がない」と答えている。
また、フランスの科学者ルイ・パスツールは、研究に没頭しているとき、自分のことを心配している暇がなく、心の平安を見いだした。
つまり、研究者はめったにノイローゼにならない。そんな余裕がないからだ。
第5章「批判に屈しない」
154 批判は称賛の裏返し
「取るに足らない人物を攻撃する人はいない」
ヒトは、重要人物を攻撃して満足を得ようとする傾向がある。そうして自分のほうが偉いと思いたがるのだ。
155 俗悪な人物は偉大な人物をこきおろす
ある女性から非難の手紙が届いた。「牧師が募金の一部を私的に流用している」といった内容だ。
しかし、まったくの言いがかりであった。その女性は自分より社会的地位の高い人物をこきおろして喜びを得ていたのだ。
「俗悪な人物は、偉大な人物をこきおろして大きな喜びを得る」。ドイツの哲学者ショーペンハウエルの言葉である。
156 人間の本性は今も昔も変わらない
「殺人者より少しマシなだけの殺人者」とまで酷評されたアメリカ人がいる。初代大統領ジョージ・ワシントンだ。
しかし人間の本性は、今では改善しているはずだ。これはかなり昔の話なのだから。
157 虚栄心を満たそうとする人たち
一部の人は、自分より地位が上の人や成功している人を見ると、その人を非難して屈折した満足感を得ようとする。人間にはそういう一面があるのだ。
158 不当な批判に対する心構え
もし不当な批判を浴びるのが心配なら、次のふたつを肝に銘じよう。
- ①たいていの場合、不当な批判は称賛の裏返しである
- ②取るに足らない人物なら、誰もわざわざ批判しない
159 批判されても動じない
人々はあなたや私のことをそんなに考えていない。人々は自分のことしか考えていないのが実情だ。
たとえあなたや私が死んでも、人々はそんなことより自分の些細な頭痛に大きな関心を寄せる。人間とはそういうものなのだ。
参照:道は開ける(超訳)159
NEXT 160〜
160 友人に裏切られても失望しない
たとえ、6人の友人のうち1人に裏切られても嘆いてはいけない。
イエス・キリストの身の上に起こったことを思い出そう。
12弟子の1人がわずかな賄賂で裏切り、別の弟子はイエスがトラブルに見舞われると知らんふりをした。
イエスですら6人に1人の割合で裏切られているのだから、6人の友人のうち1人に裏切られても仕方がないと考えて割り切るべきである。
161 自分が正しいと思うことをする
人々から、不当な批判を浴びせられることは防げない。
そこで、不当な批判に惑わされないようにすることが重要だ。
自分が心の中で確信している正しいことをすればいい。
それを実行しても批判されるし、実行しなくても批判される。いずれにせよ、批判を免れることはできないのだ。
自分が正しいと確信している限り、他人にどう言われようと気にする必要はない。
参照:「道は開ける」(超訳)161
162 いかなるときでも最善を尽くす
ある実業家の話。
彼は若い頃、全従業員に好かれたいため批判に敏感だったが、人の上に立ったとき、「批判されることを覚悟しなければならない」と悟った。すると、気分が楽になったそうだ。
それ以来、いかなるときでも最善を心がけ、どんなに批判されても惑わされずにさらっと受け流すようにしている。
163 謙虚に批判を求めて億万長者になった人
石鹸会社のあるセールスマンが謙虚に批判を求めた話。
営業マンとして石鹸を売り始めたとき、注文が少なかったため、自分に問題があると考えた。
そこで、取引先の仕入れ係に直接質問した。
「先ほどの説明で良くなかった点を教えてもらえませんか。経験が豊かで実績のある人の意見を聞きたいのです。どうぞ遠慮なく指摘ください」
こうして彼は取引先の信用を得て、的確なアドバイスをしてもらうことができた。
その後、彼は世界最大の石鹸会社に発展させた功労者として全米屈指の億万長者になった。
164 小さなことにこだわらない
些細なことに悩みがちなのは、それを大げさに考えてしまうからだ。小さなことをこだわるには、人生はあまりにも短い。
誰もが一年も経てば忘れてしまうことに悩み、貴重な時間をたくさん浪費している。
崇高な理念、本物の愛情、有意義な仕事に人生の時間をあてたいものだ。
165 周囲の人を助けることに関心を抱く
精神分析者ユングの言葉がある。
「私の患者の3分の1は神経症と診断できるものではなく、空虚な生活態度に思い煩っているだけである」
ユングによると、彼の患者たちは周囲の人を助けようとせず、周囲の人に助けてもらうことばかり考えているのだ。
ユングは指摘している、「周囲の人を助けることに関心を抱けば、自力で治るはずだ」と。
166 人を助けることでいじめを克服した子供
両親を亡くし、農家の夫婦に引き取ってもらった少年の話。
小学校でいじめに遭い、帰宅して泣いていると養父が言った。
「腹を立てて喧嘩をするより、その場を立ち去るほうが立派なのだと覚えておきなさい」。
またいじめに遭うと、養母が敵を味方に変える方法を教えてくれた。
「頑張って勉強して他の人たちを手伝ってあげなさい」。
周囲の人を助けて忙しく過ごしていると心配事がほとんどなくなり、いじめに遭うこともなくなった。
167 悩みを打ち明けて心を浄化する
ある医師によると、悩みを軽くする最高の方法のひとつは、「誰かに悩みを打ち明けること」だと言う。
それを心の浄化と呼んでいる。
1人でずっと悩んでいると、いつか精神を病んでしまう。人は誰かに悩みを打ち明ける必要があり、聞いて理解してくれる人を実感することが大切なのだ。
168 手帳を持ち歩く
手帳を活かす方法が2つある。
(1)気分が高揚するような名言や詩を手帳に記入する
気分がふさいだら手帳を見て、陰うつな気分を一掃していくと、きっと明るい気分で1日を過ごせるだろう。
(2)翌日の予定を立てる
多くの人は、日々の仕事や家事に追われて過ごしているのが現状だ。そこで毎晩、翌日のスケジュールを手帳に書いてみると良い。
作業がはかどり、達成感によってストレスから解放されるはずである。
169 人間関係をよくするための心得
人間関係をよくするための心得を2つ挙げる。
(1)相手の欠点について思い悩まない
配偶者には欠点がたくさんあるだろう。しかし、欠点がないほど素晴らしい人物なら、その人とはたぶん結婚できなかったはずだ。
ある女性は「もし夫が死んだらどうする?」という質問に衝撃を受け、今までの発言を反省し、夫の長所を挙げていくと夫の魅力を思い出せたという。
(2)近所の人たちとふれあう
ある人は自分が特別だと思い込んで近所の人に挨拶すらせず、病気がちの生活を送っていた。しかし、近所の人たちと親しくするようになると、悩みがなくなったという。
参照:道は開ける(超訳)169
NEXT 170〜
170 手軽に緊張を解きほぐす方法
家の中で手軽にリラックスできる方法がある。
疲労と老化の防止に役立つはずだ。
- (方法1)疲れを感じたとき、床の上に横になって全身を伸ばす
- (方法2)横になれないならイスに座り、背筋を伸ばして両手をだらりと下げて太ももの下に置く
- (方法3)目を閉じて「太陽は輝き、空は青く澄み渡り、大自然は美しく、私は宇宙と波長を合わせている」と唱える
- (方法4)ゆっくり深呼吸する。神経を落ち着かせるのに最適
- (方法5)眉間のシワや緊張した口元を解きほぐす
- (方法6)両足の筋肉をリラックスさせる
これらは1日2回が望ましい。
引用:道は開ける(超訳)170
171 謙虚さは批判を称賛に変える
もし誰かに自分のいたらない点を指摘され、その内容が正しいと思ったら、自己弁護をするより謙虚になろう。
たとえば、次のように言ってみるといい。
「実をいうと、私にはいたらない点が他にもたくさんあります。もしそれをすべてお知りになったら、あなたはもっと厳しく私を批判するはずです」
きっと相手は謙虚さに感銘を受け、批判をやめて称賛してくれるだろう。
引用:道は開ける(超訳)171
172 批判されたら謙虚に反省する
不当な批判を感じて、怒りが込み上げてきたら、次のように自分に言い聞かせてみる。
「私は完璧とはほど遠い人間だ。かのアインシュタインですら99%の確率で自分の考えは間違いだと認めている。きっと私は80%の確率で間違っているだろう。今、受けている批判が正当であるなら、批判してもらったことに感謝して謙虚に反省しよう」
参照:「道は開ける」超訳172
173 批判から教訓を学ぶ
称賛されると誰でも嬉しいものだが、批判から多くの教訓を得ることによって成長につなげられる。
174 将来の自分になったつもりで現在の自分を反省する
フランスの哲学者ラ・ロシュフーコーは言った。
「自分に関しては、自分の意見より他人の意見のほうが真実に近い」。
誰もが批判されるのを嫌がり、褒められるのが好きだ。人間は論理の生き物ではなく、感情の生き物である。
175 「大バカ者」と言われても怒らなかったリンカーン
リンカーンは、誠実な気持ちで真実に基づいて投げかけられた批判を常に歓迎していた。
そういう類いの批判は歓迎すべきである。
ルーズベルトは大統領だったとき、自分自身について、4分の3以上の確率で正しいことを期待できないと言っている。
176 欠点をひとつずつ直していったフランクリン
万能の天才とたたえられるベンジャミン・フランクリンは、毎晩反省していた。
自分には13個の欠点があったからだ。
そのうちの3つは「時間の浪費、些細なことに悩むこと、相手の意見に反論して言い合うこと」だった。
これらの欠点を直さないかぎり、大きな功績を挙げることはできないと悟った。
そこで、毎週ひとつずつ欠点を選んで格闘し、その結果を記録することにした。
そして2年以上も続けたその後、フランクリンがアメリカで最も愛され、最も影響力のある人物の1人になったのも不思議ではない。
参照:「道は開ける」176より
177 たえず自己分析する
一般教育をほとんど受けず、小さな店の店員から始まり、数々の大企業の役員を務めたH・P・ハウエル。
彼は成功の秘訣を次のように言っている。
「一日の仕事内容を手帳に記録して、土曜日の夜に一週間を振り返って自己分析する。『どんなミスをしたか』『どんな点が良かったか』『どうすれば改善できるか』と自分に問う。すると、自分の失敗に驚きながら恥ずかしく思うこともあったが、毎月、失敗は減っていった。この自己分析の習慣を何年も続けたことが、私が成功した最大の要因だと思う」
178 失敗の責任は自分にあることを忘れない
デール・カーネギーは「自分の愚かな失敗」と題した記録を書き続けているうち、次のように思った。
「自分の記録を読み返すたび、自己管理が最大の課題であることがわかる。自分の問題を周囲のせいにしてきたが、今では自分の不幸の大半は自分自身に原因があることを知っている。そして、聖パウロの告白の心境がよく理解できる気がする。私はたびたび愚かな振る舞いをし、何度も大失敗をしでかした」
また、島流しにあったナポレオンは次のように言っている。
「私の転落の原因は私自身にあり、他の誰のせいでもない。私は自分の最大の敵であり、ついに墓穴を掘ってしまったのだ。私の悲惨な運命の原因は私自身である」
参照:「道は開ける」178より
【まとめ】「道は開ける」目次一覧
「道は開ける」第4章の目次まとめです。
全54項目(数字タップで項目へ)
- 100 自分が恵まれていることに気づく
- 101 飲み水と食料があれば不平を言うべきではない
- 102 うまくいっている9割に意識を向ける
- 103 自分が受けている恩恵を思い浮かべる
- 104 明朗快活な態度が健康をもたらす
- 105 この世で最大の悲劇とは?
- 106 問題の数ではなく恩恵の数を数える
- 107 あらゆる物事の最もいい部分を見る
- 108 人生でめざすべきこと
- 109 目が見えることに喜びを感じよう
- 110 前向きに生きる
- 111 敵を憎まない
- 112 復讐は有害無益だ
- 113 愛に満ちた心はよい表情をつくる
- 114 自分を大切にする
- 115 憎しみを捨てる
- 116 謙虚さは成果をもたらす
- 117 敵を許して忘れる
- 118 誰に対しても敵意を抱かない
- 119 誰に対しても恨みや憎しみを抱かない
- 120 崇高な目標を持つ
- 121 誰に対しても怒らない
- 122 相手を理解して思いやりを持つ
- 123 心の平安を得る秘訣
- 124 思考が人生を作る
- 125 心配するのではなく検討する
- 126 心の持ち方は体力に影響を与える
- 127 思考を変えれば病気も治る
- 128 自分の心を克服する
- 129 心の持ち方が人生を左右する
- 130 心の平安は自分で手に入れる
- 131 間違った思考を心から追い出す
- 132 明るく振る舞えば、気分も明るくなる
- 133 明るく振る舞って死から逃れた人
- 134 思考を変えれば状況が変わる
- 135 行動が思考を変える
- 136 恐怖を闘志に変える
- 137 眠れなくても心配しない
- 138 睡眠時間は個人差が大きい
- 139 眠れないことを気にしない
- 140 不眠症ではなく心配性を克服しよう
- 141 祈りは熟睡の条件
- 142 全身の緊張を解く
- 143 眠れないなら体を疲れさせる
- 144 眠れなくても死なない
- 145 忙しく過ごせば、悲しみは癒える
- 146 人間の脳は一度にひとつのことしか考えられない
- 147 治療薬としての仕事
- 148 悲しみを乗り越える秘訣
- 149 暇を持て余すと心配性が忍び寄る
- 150 仕事に専念すれば、安らぎが得られる
- 151 悲しみにひたっている時間をなくす
- 152 明確な目的を持つ
- 153 忙しすぎて悩む暇がなかった偉人たち
「道は開ける」第5章の目次まとめです。
全25項目(数字タップで項目へ)
- 154 批判は称賛の裏返し
- 155 俗悪な人物は偉大な人物をこきおろす
- 156 人間の本性は今も昔も変わらない
- 157 虚栄心を満たそうとする人たち
- 158 不当な批判に対する心構え
- 159 批判されても動じない
- 160 友人に裏切られても失望しない
- 161 自分が正しいと思うことをする
- 162 いかなるときでも最善を尽くす
- 163 謙虚に批判を求めて億万長者になった人
- 164 小さなことにこだわらない
- 165 周囲の人を助けることに関心を抱く
- 166 人を助けることでいじめを克服した子供
- 167 悩みを打ち明けて心を浄化する
- 168 手帳を持ち歩く
- 169 人間関係をよくするための心得
- 170 手軽に緊張を解きほぐす方法
- 171 謙虚さは批判を称賛に変える
- 172 批判されたら謙虚に反省する
- 173 批判から教訓を学ぶ
- 174 将来の自分になったつもりで現在の自分を反省する
- 175 「大バカ者」と言われても怒らなかったリンカーン
- 176 欠点をひとつずつ直していったフランクリン
- 177 たえず自己分析する
- 178 失敗の責任は自分にあることを忘れない
マンガ版「道は開ける」