【科学的な適職】幸福には適度なストレスが必要「まとめ要約」

書籍「科学的な適職」要約まとめのタイトル

書籍「科学的な適職」は,2019年12月に発売されました。

「科学的な適職」の主旨は「幸せ度が最大にされる仕事の見つけ方」です。

適職を「幸せ度が最大にされる仕事」と定義してあり,例えば,稼ぐことだけが幸福に至るものではないと本書は主張しています。

豊富な経験者やこれから仕事を始められる人,どのような人にも「自分の適職が何か」については,幸福度に関わるので重要とされます。

>> 『 科学的な適職 』

著者は10万本の科学論文を読破し,600人以上の学者や専門家へインタビューを経験したサイエンスライター。

それでは「科学的な適職」を見ていきましょう。

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なぜ人は適職を求めるの?

適職を求めるイメージ

なぜ現在いま,人は適職を求めるのでしょう。

仕事を選べるようになる「職業選択の自由」が認められたのは19世紀(1801~1900年)。

約100年前と最近になって「職業選択の自由」がもたらされたのです。

しかし,自由になることで「どの職業が自分に適しているのか分からない」といった悩みを,多くの現代人が抱えることになってしまいました。

「科学的な適職」によれば,後悔していることは何かとご老人の方に聞いたアンケートの結果,「果たして自分がやっていた仕事は良かったのだろうか」という声が一番多く表れる結果となりました。

「適職を見分ける能力」は必要?

さて,「適職を見分ける能力」は必要でしょうか。

「科学的な適職」では,その疑問に対して「ロールモデルの無い時代に突入しているから」と説明しています。

ロールモデル・・・自分にとって,行動や考え方の模範となる人物や思想のこと。人間は,無意識に「あのようになりたい」というロールモデルを選び,そのモデルの影響を受けながら成長すると言われます。

現代では,ロールモデルはなくなりつつあり,社会の変化に適応することが求められるようになりました。

ロールモデルのない時代,適職を見分ける能力が必要だと「科学的な適職」は主張します。

それでは適職を見分けるにはどうすればよいでしょうか。

– 仕事選びの幻想を捨てる –

仕事選びの幻想を捨てるイメージ

仕事選びにあたり,多くの人が仕事選びの幻想を抱いていると「科学的な適職」は指摘しています。

適職を見つけるなら,まずその幻想を捨てることが第一ポイントとなります。

 – 仕事選びに捨てるべき7つの幻想 –

  1. 「好きを仕事にする」
  2. 「お金で仕事を選ぶ」
  3. 「伸びる業界や職種で選ぶ」
  4. 「楽かどうかで選ぶ」
  5. 「性格テストの結果で選ぶ」
  6. 「直感で選ぶ」
  7. 「適性に合った仕事を求める」

このうち,1〜4までの幻想についてご紹介しています。

>> 『 科学的な適職 』

1.好きを仕事にする

まず,捨てるべき幻想は「好きを仕事にすることだと,「科学的な適職」は指摘しています。

なぜなら,歴史に名を残す偉人や,今に生きる著名人でさえ,”好きを仕事にしていない”からです。

例えば,スティーブ・ジョブスです。

ジョブズは好きを仕事にしている?

スティーブ・ジョブズは初めからAppleアップルを設立しようとしたでしょうか。コンピュータが好きだったでしょうか。

じつはジョブズはコンピュータよりも,宗教やスピリチュアルといった哲学が好きでした。ノープランでとっさに海外まで足を運ぶほど,哲学の類に興味をもっているのです。

ここでもし,好きを仕事にしていたらジョブズは思想家になっていたことでしょう。しかしスティーブ・ジョブズはIT経営者です。


また,ナポレオンは小説家を,ゴッホは聖職者を希望していましたが,ナポレオンは軍人,ゴッホは画家です。ゴッホに至っては,聖職者になれなかったため画家を目指したとされています。

歴史に名を残す人たちでさえ,好きを仕事にしていないことが挙げられました。

一方で,好きを仕事にしている人がいることも考えられるでしょう。

しかし,「好きを仕事にすることは,必ず幸福とは言えない」と「科学的な適職」は指摘しています。

そこで,

「好きを仕事にしたい人」を【適合派】

「仕事を好きになりたい人」を【成長派】

として分けた表(実験結果)があり,以下は要約です。

  •  【適合派】
     自分の好きを仕事にする人
     「理想が膨らみすぎる、長続きしない」
     
  •  【成長派】
     もらった仕事を好きになろうとする人
    ◎「トラブルに強い」

それぞれに傾向がありますが,「科学的な適職」の理想としては,成長派にあるトラブルに強い精神性が大事だと主張しています。

参照引用:「科学的な適職」

2.お金で仕事を選ぶ

次に,捨てるべき幻想は「お金で仕事を選ぶこと」です。

「お金で仕事を選ぶ」では,満足に幸福感を得られないことを科学的に説明しています。

「給料と満足度の相関関係」

相関係数(r=0.15)

給料と満足度を数値化し,それぞれの関係性を求めた結果,

数値が「1のとき完全一致」を表す場合,「0.5以上であれば関係がある」となりますが,数値が「0.15になるとほとんど関係しない」となりました。

引用:「科学的な適職」

よって,年収400万円からの幸福度アップは難しいという結論が出たのです。

たとえば,年収400万円の人が年収800万円へと,年収は倍に増えても、幸福度は決して倍に増えないとなります。

また,400万から800万へは,ゆるやかなさかのようにしか幸福度は上がりません。

なお,年収800万円を超えると幸福度はほぼ変わらないとされます。

3.伸びる業界や業種で選ぶこと

次に,捨てるべき幻想は「伸びる業界や業種で選ぶこと」です。

どんな専門家でも伸びる業種は分からないと言います。

ペンシルベニア大学の実験で行われたデータがあります。

学者や評論家を数百人集めて,3~5年目の経済状況を予測することを毎年行われていました。

しかし,未来の経済を当てた割合人数は50%ほどでした。

つまり2分の1「当たりかハズレ」かという時点で,素人が予測するのと何も変わらないことが判明したのです。

4.楽かどうか

さて,4つ目の捨てるべき幻想は「らくかどうか」で仕事を選ぶことです。

たとえば「指示するだけで仕事は終わりといった経営者」や「お金を稼ぐ仕組みができたから遊ぶだけという人」は,らくそうで羨ましく思えたりしますが,必ずも幸福ではないと「科学的な適職」は指摘します。

らくというのは幸福ではなく,じつは幸福には適度なストレスが必要なのだと「科学的な適職」は説明しているのです。

「難易度と技術の関係」

難易度が高いものに技術の低い人が当たれば「不安」状態となります。

逆に,
難易度が低いものに技術の高い人が当たれば「退屈」状態となります。

さらに,
難易度が低いものを技術の低い人が当たれば「無気力」状態となります。

そして一番良い状態として,
自分の技術に相当する難易度に当たったとき「やる気」に満ちる状態となります。

したがって,「指示するだけで仕事が終わりといった経営者」は,幸福ではなく「退屈」となるのです。

楽かどうかで仕事を決めるのではなく,自分に合う難易度の仕事が幸福への「やる気」をもたらしてくれるのです。

以上,捨てるべき仕事選びの幻想について,4つをご紹介しました。

さて,次は『七つの徳目』の登場です。

【七つの徳目】

七つの徳目とは「仕事の幸福度を決めるもの(要素)」です。

適職とは「幸福度が最大にされる仕事」だと「科学的な適職」は定義づけています。

つまり,「科学的な適職」の最大の主張は,

「仕事選びの幻想を捨て去り『七つの徳目』で仕事を選ぶことで,

幸福度が最大にされる仕事にあたれるようになること」です。

職場において,以下の条件が達成されるほど幸福度は上がります。

 『七つの徳目』

  1. 自由・・・自分が自由にできる権利はどれくらいあるか
  2. 達成・・・自分が進歩している感覚があるか
  3. 焦点・・・スピード重視派? or リスクを避ける派?
  4. 明確・・・仕事内容が明確かどうか
  5. 多様・・・業務内容はバラエティに富んでいるか
  6. 仲間・・・自分と似た人が多いか
  7. 貢献・・・他人の生活に影響を与えているか

七つの徳目を活用しよう「マトリクス分析」

適職の選び方に『七つの徳目』を活用するため,カンタンな自己分析の方法を「科学的な適職」は紹介しています。

『七つの徳目』と「職場の関係性」を表にして,自分に合う職場かどうかの点数をつける「マトリクス分析」と呼ばれるものがあります。

今回は例として「入社する場合」とします。

  /重要度ABC
自由    
達成    
焦点    
明確    
多様    
仲間    
貢献    
合計 (=)    

このように表を作り,以下を参考に点数を記入していきます。

 「マトリクス分析の点数の付け方」

  1. 基準(5段階で点数をつける)
  2. 比較対象(今回の場合A社、B社、C社など)
  3. 重要(3段階で点数をつける)

  • 基準・・・就業先や調べた情報を基にして,『七つの徳目』に当てはまるものほど,高く点数を記入します。自分で感じた程度でOKです。(1〜5の5段階の点数)
     
  • 比較対象・・・会社選びの場合,上の表のようにA社,B社,C社というように表の一番上の欄に横並びで記入します。
     
  • 重要・・・『七つの徳目』で自分にとって重要だと思う項目に高く点数をつけます。(1〜3の3段階の点数)
    ※(例)「自由のある職場」が自分に必要だと思う場合は「自由」の「重要」の欄に「3」をつけます。
    また「業務内容のバラエティ」は自分に必要ないと思う場合は「多様」の「重要」の欄に「1」をつけます。自分への必要性が分からない場合は「2」をつけましょう。

(合計の計算法)基準×重要=合計

以上を参考にして表をつくり,最後に「合計」を記入します。

計算方法は「基準×重要=合計」と,掛け算の値を「合計」に記入します。

そして,一番高い点数の項目自分に最も適しているとなります。

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まとめ

「科学的な適職」には,適職を科学的に見つけるポイントが紹介されていました。

今回ご紹介したまとめ

  1. 仕事選びの幻想に気付き,その幻想を捨て去る
  2. 『七つの徳目』を参考にする。
  3. マトリクス分析による,最も高い数値が適職となる。

適職を算出し,自分を客観的に知ることができる「マトリクス分析」は,軍隊の意思決定にも使われている手法で,かなりの効果が見込まれています。

いろいろと応用に使えそうですね。

今回ご紹介しました「科学的な適職」はこちら