HSP専門カウンセラー武田友紀さん著作「繊細さんの本」。
そのシリーズ続編にあたる「繊細さんの知恵袋」の内容は、「繊細さんの本」の読者(138名)から寄せられた悩みとその対処法です。
つまり『繊細さんに共通した悩みのシチュエーションや対処方法』のまとめ本といえるでしょうね。

繊細さんに共通したシチュエーションといえば、「嫌なことは自分が我慢すれば解決する…」といった悩みが挙げられます。
(繊細さんの本は前記事で紹介しています)
それでは、「繊細さんの知恵袋」の内容を見ていきましょう。

» 「繊細さん」の知恵袋
【繊細さんの知恵袋】多くの繊細さんが抱える悩み

書籍「繊細さんの知恵袋」より、繊細さんに共通する悩みをいくつか挙げます。
それぞれの項目から対処法を見ていきましょう。
【繊細さんの知恵袋】断りにくいときの悩みと対処法

繊細さんに共通する悩み①断りにくいときの悩みと対処法について見ていきましょう。
繊細さんは頼みゴトや誘いを断ることが苦手で、ついつい引き受けてしまう傾向があります。
このとき対処法は、「断るときに返す言葉を決めておく」ことです。
「繊細さんの知恵袋」が紹介している「頼みごとや誘いの断り方」が参考になるでしょう。↓
頼みごとや誘いの断り方(パターン3選)
相手の頼みごとを断るときのポイントは、こちらの都合も口にすることです。
「こちらの都合を口にすることは悪くない」という意識を持つことが重要となります。
次の例を見てみましょう。
相手の都合を押し付けられた場合
相手の都合を押し付けられた場合は、こちらの都合も相手に伝えると良いです。
「今は忙しいのですが、この日なら都合がつきます。いかがでしょうか?」といったように伝えると、お互い納得するところで話が落ち着きやすくなります。
ちなみに頼みごとを断るときに便利な言葉は、先程のように「今は忙しいのですが〜」と頭に付け加えて伝えることです。
絶対に断りたい場合
絶対に断りたい場合は、期間が空くように答えると良いでしょう。
「来月までスケジュールがいっぱいです」といったように伝えると、相手の要望やモチベーションが数ヶ月も続きにくいため効果的です。
そもそも誘いを断る返事がしづらい場合
そもそも誘いを断るときはどうしても返答しにくいですよね。
そこで、口に出しやすいフレーズが「その日はちょっと行けません」です。(極めて明るく伝えることが円滑のポイント)
「繊細さんの知恵袋」によると、口に出しやすくするポイントは「理由を明確に言わなくていい」という考え方を持つことです。
また、絶対に断る決意を持つことや「また誘ってください」と言わないようにすると、相手の反応に変化が表れるでしょう。
【繊細さんの知恵袋】人に頼りにくいときの悩みと対処法

繊細さんに共通する悩み②人に頼りにくいときの悩みと対処法を見ていきましょう。
そもそも頼ること自体がアクティブな行動であるため、繊細さんは人に頼りづらいと感じる傾向にあります。
そこで、頼りにくいときの対処法を「繊細さんの知恵袋」から2つピックアップしました。
自分だけが引き受けてしまうときの対処法
小さなことでもよく気が付く繊細さんは、人より多く働いてしまう傾向があり、頼まれていないことまで引き受けてしまうこともあります。
たとえば、「飲食席で気が付くと自分だけが他の人のお皿まで下げている」、「家庭で自分だけが家事をしている」などです。
また、人よりも気が付くことが多いために、何も気づかない人に対してイライラしてしまうことも。
もし自分の中でイライラを感じ始めたら、それは物事を引き受けすぎているサインです。
そのようなケースを踏まえて「繊細さんの知恵袋」では、自分だけが引き受けてしまうときの対処法が紹介されています。
参照:繊細さんの知恵袋
「自分だけが引き受けてしまうときの対処法」
ひとまず手を止めて自分のしたいことをする
自分だけが物事を引き受けすぎてイライラしたときは、次の手順を行うとストレスから解放されやすく効果的です。
- 手を止めて深呼吸
- 「本当は今、何をしたい?」と自分に問いかけてみる
- 今の自分が何をしたいかが分かれば、できる範囲で自分に叶えてあげる
参照:「繊細さんの本」
「自分だけが引き受けてしまうときの対処法」
ひとまず作業を放置すること
自分の作業を放置すると、周りの人が代わりに行動し始めるため、「誰がどう行動するか」を覚えておくと自分への負担を軽くできます。
(例)「いつも自分が取り替えていた休憩室のゴミ箱。放置していたらAさんが取り替えてくれた。Aさんは取り替えてくれる人だったんだ」
「まず放置する」ことで周囲の人の傾向を観察できたら、次のステップ(分担する意識を持つ)に移りましょう。
「自分だけが引き受けてしまうときの対処法」
分担する意識をもつ
他の人へ指示が出しづらいとき、ありますよね。
このときの解決法は、「指示をする意識」ではなく「役割分担する意識」を持つことです。
「指示」だと上下関係が生まれてしまいますが、「役割分担」ではお互いフラットな関係が保たれやすくなります。
【繊細さんの知恵袋】弱みを見せづらい繊細さんの悩みと対処法

繊細さんに共通する悩み③弱みを見せづらい繊細さんの悩みと対処法を見ていきましょう。
繊細さんが弱みを見せづらい原因のひとつは、助けてくれる人がいない環境で育ったことが挙げられます。
かつて「助けて」と言ったときに助けてくれる環境にいなかったため、不安が高まり、自己防衛のために常にアンテナを張って周りの空気を察知し、体力を消耗してしまうのです。
解決法としては「繊細さんの知恵袋」の見解を参考にしてみてください。
「助けてくれる人は現れるという感覚を味わってほしい」
「助けてくれる人が現れたときに感じる自分の内側の変化を大切にする」
「今まで育った環境では助けてもらえる状況はなかったかもしれない。しかし、世の中で見てみると助けてくれる状況は少なからずある」
参照:繊細さんの知恵袋
助けを求めるときは、軽めに明るく伝えると相手にとって受け入れやすい印象を与えるようです。
【繊細さんの知恵袋】傷つきやすい繊細さんの悩みと対処法

繊細さんに共通する悩み④傷つきやすい繊細さんの悩みと対処法を見てみましょう。
高度で敏感なアンテナを持つ繊細さんは、対人関係や環境によって、心が傷つきやすい傾向にあります。
(繊細さんは)相手の愚痴や不満を聞きすぎてしまいがち
繊細さんは人に深く共感してしまうため、相手の愚痴や不満を聞きすぎてしまう傾向にあります。
相手の意見を否定せず聞き上手に徹してしまうため、話し手は気分を良くしますが、繊細さんは一方的にどんどん話しかけられてしまいがちです。
解決法は、話を聞く時間を決めておくことです。
しかし繊細さんは情が移ることも多いため、ついつい話を聞いてしまうことがあります。
そこで「繊細さんの知恵袋」では、自分が疲労しないためにも、時間を区切るコツとして「アラーム設定」がオススメされています。
予め、話し相手には次のように伝えると良いでしょう。
「このあと用事があって時間がないけど、30分なら話を聞けるよ?」
このように伝えてアラームを30分後に設定しておくと、相手も了承の範囲で収まるでしょう。
また、相手との話を確実に終わらせたいときは、共感をやめてアドバイス(指摘)をすると良いです。
- 共感の場合→「共感してくれて嬉しい」
- 指摘の場合→「指摘されたなぁ・・・」
基本的にヒトは指摘を嫌うからでしょうね。
(繊細さんは)少しの指摘で落ち込んでしまいがち
繊細さんは相手の言葉やコメントなどによって、少しでも指摘があると落ち込みやすい傾向にあるようです。
解決法は、落ち込んだ自分の感情を肯定することです。
(決して傷ついた自分を否定しないこと)
また「繊細さんの知恵袋」では、相手の意見を真に受けない捉え方が紹介されています。
- 相手が本当のことを言っているとは限らない
- 相手の言葉は相手自身に言い聞かせているだけの場合がある
怒られている人がいて苦しいときの解決法

ヒトには共感性が備わっているため、映画や小説作品などに感情を揺さぶられることがあります。
そして共感性の高い繊細さんは、自分の周りに怒られている人がいるだけで苦しみを覚えやすいようです。
「繊細さんの知恵袋」によると、怒られている人がいて苦しいときの解決法は、「きっとあの人なら大丈夫」と思いその場から離れて共感しないことです。
その理由として、次の2つが挙げられています。
- 怒られている人がどう感じているかは当人次第
- 怒られている人のポテンシャルや強さを信じること
【繊細さんの知恵袋】繊細さんによくあるQ&A

その他にも「繊細さんの知恵袋」では、繊細さんによくある出来事が挙げられています。
繊細さんによくある悩み「自信を持つにはどうしたらいい?」
「繊細さんの知恵袋」によると、自信を持つには自己肯定感と自己効力感を分けると良いようです。
自己効力感とは、自分には何ができて何のスキルがあるか、また自分の可能性を認知していることを指します。
自己肯定感≠自己効力感
ここでポイントは、そもそも自己肯定感と自己効力感は別物であるという考え方です。
例えば、自己効力感が低いと感じても自己肯定感まで下げる必要はありません。また、自分の技術面だけで自身を評価してはいけないということです。
もし誤って、自己肯定感と自己効力感が同じ意味だと履き違えてしまうと、歪んだ考えを持ってしまうことになるのです。
歪んだ考え→何かを達成する自分の姿を見つけようとする考え方
(例)「私はダメな人間だから何かができるようになったら自分を認めてあげよう」
目標を達成できずに自己効力感が低いと感じても、自己肯定感は下げずにいることが大切です。
繊細さんによくある悩み「苦手な人と接するには?」
苦手な人と接するときに楽になれる解決法があります。
それは「相手を嫌いになってもいい」と考えることです。
共感力が高い繊細さんは、「周りの人と良い関係を築きたい」という気持ちが人一倍強い傾向にあります。しかしそのため、苦手な人に対して「この人は本当は悪い人ではない。イイところを見つけて仲良くしよう」と考えてしまうことがあるのです。
自分と合わない人がいるのは自然なことなので、全ての人を好きになろうとせず、「相手を嫌いになってもいいんだ」と自分を許すことが楽になれるポイントです。
苦手な人に会ったときは、挨拶はするけど自分からは話しかけず、いい事されたらお礼するくらいの距離感を保つと気持ちが楽になれます。
参照:「繊細さんの知恵袋」
繊細さんによくある悩み「疲れているのに頭が冴えて眠れない」
疲れているのに頭が冴えて眠れない原因は、刺激過多にあります。
繊細さんは些細なことも無意識に感じとるため、刺激を受けすぎて容量オーバーになりやすいのです。
そこで解決方法は、「こまめに情報をはき出す」ことにあります。
それでは「繊細さんの知恵袋」から、情報をはき出すための行動をいくつか見てみましょう。
- 話す、歌う
- 落書きする
- ノートなどに自分の気持ちを書き留めておく
情報をはき出す行動のなかでも「落書き」は、時間も場所も関係なく簡単にできます。
何かを描こうとせずに、ペンで紙の上にぐるぐると円を描くだけでも、体に溜まった刺激を外に出すことができるため非常に有効です。
参照:繊細さんの知恵袋
繊細さんによくある悩み「相手の表情から気持ちを汲み取りすぎてしまう」
繊細さんは相手の表情や仕草から「相手が今どんな気持ちでいるか」を敏感に察知してしまうため、疲れを溜めてしまいがちです。
そうしたときの解決方法は、相手との間に物を置くことです。たったこれだけで楽になれます。
置く物は何でもよく、どんなサイズでも良いです。(ティッシュボックスやペンなどでも)
「私とあなたは別の人間です」と意識して相手との間に物を置くと心理的な境界線が生まれ、相手の感情を受け取りすぎず楽になれます。
繊細さんによくある悩み「繊細さんはどんな職業がいいの?適職は?」
小さな問題点を察知し、相手の表情や仕草、体調の変化を敏感に察知する繊細さんは、どの分野でも高い能力を発揮できる可能性をもっています。
相手の気持ちに寄り添えるため、介護やカウンセラー、インストラクターなどの対人支援の仕事も向いています。また、問題点を深く考えていくという点で経営コンサルタントなどに向いている人もいます。
参照:繊細さんの知恵袋
(職業選択の関連記事)
【要約まとめ】「繊細さんの知恵袋」
「繊細さんの本」が出版されてから数年が経ち、「繊細さん」の認知度はますます広まりましたね。
テレワークが普及した現代では、物理的に人と距離が空いて「ホッとした」「楽になった」という繊細さんもいらっしゃるようです。
今回は、多く寄せられた「繊細さんあるある」の一部を紹介しました。参考になれば幸いです。
以上、「繊細さんによくある悩みと解決法」がまとめられた「繊細さんの知恵袋」でした。
過去記事はこちら「繊細さん」の本