【嫌われる勇気】貢献している感覚が幸せ『アドラー心理学』

「嫌われる勇気」について

2013年全国200万部を売り上げ,2018年世界440万部を突破した書籍「嫌われる勇気」。

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アドラー心理学の入門書とも定評ある本書は,対話篇形式によって描かれていることから読みやすいテイストで描かれています。

とくに,「その主張に対してワタシはこう思う」といった,読者の考えを本書に登場する青年が代わりに発言しており,高い共感性と理解力を生み出す作品となります。

「嫌われる勇気」の目的は「幸福に生きるための考え方」です。

— 幸福に生きるための考え方 —

  1. 人は変われる
  2. 世界はシンプル
  3. 誰もが幸福になれる

この3つの考えについて,多くの人は率直にこう思うかもしれません。

  •  「自分は変われるだろうか
  •  「世界は複雑じゃないの?
  •  「誰もが幸福ってありえるの?

こうした疑問は,本書に出てくる登場人物がしっかり代弁しており,この視点から回答を設けられています。

この記事では,「嫌われる勇気」における「幸福に生きるための考え方」について要点をご紹介しています。

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1.「人は変われる」(なぜか?)

書籍「嫌われる勇気」における人は変われるについて

「過去が原因で今がある」

心理学者フロイトの発言です。

しかし,

著者アドラーはこの発言を否定します。

アドラー
アドラー

「今が楽だから,過去のせいにしているのだ」

人は過去の傷(トラウマ)を利用してしまっている

私たちは「トラウマ・怒り・劣等感」というものを「道具」として使っているとアドラーは言います。

たとえば,赤面症の子が言いました。

赤面症の子
赤面症の子

「すぐ緊張して顔が赤くなってしまうので,好きな人に思いを伝えられない」

アドラーが言います。

アドラー
アドラー

「それは赤面症を理由にして,思いを伝えれない状態を自分で作っているだけなのだよ」

「コンプレックスを言い訳に,行動しない理由を作ってしまっている」と,アドラーは解明しました。

(読者側としては一見)どこか責められているように感じますが,本書「嫌われる勇気」の意図は「勇気を与えて背中押しをすること」です

「怒り」はコントロールできる

「飲食店の例」

ある飲食店で店員のミスによって,客のシャツに水がかかってしまいました。

客

どうしてくれるのだ。弁償してほしい。

アドラー
アドラー

今あなたは怒っていますが,果たして「怒り」はコントロールできないものでしょうか?

客

「怒り」はコントロールできないでしょう。こうして現に,私は口に出しているのだ。

アドラー
アドラー

では,あなたがナイフを持っていたら,その店員を刺していましたか?

客

いや・・・。ナイフで刺すまでは行わないかな。

または「電話の例」があります。

大喧嘩おおげんかの途中で別れた後,家の電話が鳴りました。

電話先はてっきり喧嘩相手だと思い,怒りの態度で電話に出ますが,電話先は別の人でした。

このとき,とっさに声を変えて(落ち着かせ)電話の対応をしました。

このように,「怒り」はコントロールできるのです。

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大切なのは「変わる勇気」

人間は「トラウマ・怒り・劣等感」を,「道具」として都合よく使ってしまっていることがわかりました。

(読者側としては一見)どこか責められているように感じますが,「勇気を与えて背中押しすること」が本書「嫌われる勇気」の意図です

著者アドラーが大切としているのは「変わる勇気」なのです。

2.「世界はシンプル」(なぜか)

書籍「嫌われる勇気」における世界はシンプルについて

ー 世界はシンプルな理由 ー

  1. 全ての悩みは対人関係
  2. たいていが自分の課題ではない

全ての悩みは対人関係

— 対人関係のスタート地点 —

 「自分の事」と「人の事」を分ける

自分の行動の結果は「自分のためになるものか」「人のためになるものか」をしっかり区別することが,対人関係のスタート地点だと言います。

たとえば,

親が子供へ「もっと勉強しなさい」という発言は,本来は不要であり,勉強しなくて損することは子供の問題で,親の問題ではないとしています。

これは「子供の問題」と「親の問題」を分けれていない例となります。

人のパーソナルスペースに介入したり,土足で入るのは良くないとアドラーは主張しているのです。

褒められようとしてはいけない

ここで,アドラーによる禁止事項です。(承認欲求否定)

  • × 褒められようとすること
  • × 褒めること

「褒められようとすること」は良くない

「出来たら褒める,出来なかったら褒めない」というような賞罰教育は,「褒められないと何もしない精神」を生んでしまいます。

たとえば,

「近所の掃除をしていたが,誰からも褒められないのでやめた」

こうした「褒めてくれるから何かをする」という考え方は,自分の行動を他人に決めさせていることになります。

つまり,自由ではありません。

よって,褒められようとしなくて良いのです。

「褒めること」も良くない

褒める事は,「能力の上の人間が,下の人間に行う評価」とされます。

そもそも,能力の上の人間が下の人間に対しても,行ってはいけません。

「褒めること」は,相手に「自分はそのヒトより下なんだ」と潜在的に思わせる行為なのです。

「感謝をする」横の関係を築く

人間関係において、「褒める」といった評価することは,相手との縦の関係を生んでしまいます。そこでアドラーは,横の関係になることを推奨しています。

縦の関係が「褒めること」に対して,横の関係は「感謝すること(ありがとう)」です。

つまり,「褒めること」はやめて「ありがとう」と感謝へ変えていくことで,誰かの評価によって自分の行動が規制されることのない自由な状態になっていきます。

そして,「誰かが褒めてくれるからやる」「誰かがやってくれたから褒める」といった,自由ではない縦の関係から解放され,嫌われる勇気を持つことができるのです。

> アドラー著「嫌われる勇気」

たいていが自分の課題ではない

ここで,「嫌われるのはイヤだ」と思う方に対して,アドラーは言います。

アドラー
アドラー

「自分の行動で相手が嫌うかどうかは,自分が決めれることではない」

たとえば,自分が大食いしているとき,「ものすごく食べるね」と見る人もいれば,「ご飯にがっついて可愛い」と見る人もいるでしょう。

これらはどう見られようと,相手側の問題で,自分の課題ではありません

さてここで,「世界はシンプル」の理由をまとめるとこうなります。

「(あなたは)自由に行動して,自分のためか人のためかの課題を分けて,褒められようとせず褒めもせず,嫌われる勇気をもって,感謝をする」

これが対人関係のスタート地点とするアドラーの主張になります。

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3.「誰もが幸福になれる」(なぜ?)

書籍「嫌われる勇気」における誰もが幸福になれるについて

対人関係のスタート地点がわかりました。

続いて,ゴール地点(幸福)について。

アドラーは,「幸福とは共同体感覚を持つこと」だと主張します。

「共同体感覚(仲間に貢献できている感覚)」

ここで,アドラーによる禁止事項です。

× 『競争すること』

競争をしすぎると,仲間でなくなってしまうことがあります。

アドラー
アドラー

「競って勝たないと,自分には価値がない」

そう思っていないだろうか。

そのようなことは思わなくても良い

 

「他人に貢献している感覚」が幸せ

アドラーによると,他人に貢献している感覚である「共同体感覚」によって幸せが得られます。

たとえば,お金持ちの人でも幸せであるかどうかは,「他者に貢献できている感覚があるか」によるのです。

「共同体感覚」に必要なものは3つです。

  1. 「自己受容」
  2. 「他者信頼」
  3. 「他者貢献」

「自己受容」

自分自身の良い所と良くないと思う所を,そのまま受け入れることです。
出来ない所から受け入れると良いです。

ありのまま自分を受け入れると「私は〜が出来ないから、どう対応をしようか」と考えることができます。

アドラー
アドラー

自己受容は自分の「行為」よりも,なるべく自分の「存在」を自己受容することが望ましい。

 
たとえば,

  • ×「行為」の自己受容:
    家族を養うために,自分はお金だけ稼げばいいのだ×
  • ◎「存在」の自己受容:
    自分が家庭にいることで,家族は幸せだと思っている◎

「他者信頼」

他者貢献するには、他者を信頼して「仲間」と思うことが大切です。
見返りを求めるのではなく、無条件で他者を信頼することです。

— 「信頼しんらい」と「信用しんよう」の違い —

  • 信頼しんらい:無条件で信じること
  • 信用しんよう:条件付きで信じること

たとえば,道端で困っている人を手助けするとき,無条件の「信頼」があって行動できていることになります。

アドラー
アドラー

相手はこちらが信頼しているか,信頼していないかをみている。

それなら,まず信頼することだ。

相手が裏切るか裏切らないかは相手の問題で、自分の問題ではない。

こうして、「他者信頼」ができると → 「他者貢献」ができるようになります

「他者貢献」

他者に貢献することで自分自身の幸せを得ることができます。

仮に自分が「自由」を選んだとしても、他者に貢献しているという思いを持ち続けると、自分の道を見失わずに進むことができます。

アドラー
アドラー

「他者に貢献できている感覚」さえあれば,そのとき,あなたの人生はゴールしている。(幸福にたどり着いている)

このようなことから,「アドラーの心理学を学んだとき,誰もが幸せになれる」と言われるのです。

おわりに

対人関係のスタートは,「自由に行動して,自分のためか人のためかの課題を分けて,褒められようとせず褒めもせず,嫌われる勇気をもって,感謝をすること」。

そして,対人関係のゴール(幸福)は「貢献している感覚があるか」に左右していることがわかりました。

「アドラー心理学を学んだとき,誰もが幸せになれる」。このことは,多くのアドラー本でご紹介されています。「共同体感覚」を指していることが分かりますね。

「旅行は目的地より道中が楽しい」といったように,「ゴールまでの道中で貢献している感覚があるなら,そのときに幸せは完結している」といえるアドラーの心理学でした。

今回ご紹介した『嫌われる勇気』はこちら