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【科学的な適職】幸福度が高まる仕事の見つけ方|要約まとめ

科学的な適職の要約まとめイメージ
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2019年12月に出版された書籍「科学的な適職」

要約すると、自分の幸福度が最大に高まる仕事の見つけ方について解説されています。

「適職=幸福度が最大にされる仕事」と定義され、決して稼ぐことだけが幸福ではないと主張されており、読み応えも抜群の内容です。

そこで今回は「科学的な適職」より、適職の見つけ方についてポイントをまとめました。
要約すると次のようになります。

  1. 仕事選びにおける7つの幻想を捨てる
  2. 幸福度を決める7つの徳目を押さえる
  3. 7つの徳目を参考にマトリクス分析を行う

「なぜ人は適職を求めるのか」
今回はその辺りからカンタンに解説していきます!

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なぜ人は適職を求めるの?|科学的な適職

書籍「科学的な適職」で考えられる疑問「なぜ人は適職を求めるのか」を表すイメージ

なぜ人は適職を求めるのでしょうか。

仕事を選べるようになれる「職業選択の自由」が認められたのは19世紀(1801~1900年)
約100年前と、最近になって職業選択の自由がもたらされています。

しかし職業選択の幅が広がったことで、「どの職業が自分に適しているのか分からない」といった悩みを多くの現代人が抱えることになってしまいました。

「後悔していることは何か?」と聞いたアンケートを高齢者に行った結果、最も多かった答えは「果たして自分がやっていた仕事は良かったのだろうか」という回答となったのです。


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適職を見分ける能力は必要?

書籍「科学的な適職」の要約を参考にして適職を見分ける能力が必要かを表すイメージ

そもそも「適職を見分ける能力」は必要でしょうか。

その疑問に対して「科学的な適職」は、「ロールモデルの無い時代に突入しているから」と答えています。

ロールモデルとは?

自分にとって、考え方や行動の模範となる人物や思想のこと。
人は無意識に「あのようになりたい」とロールモデルを選び、そのモデルの影響を受けながら成長するとされます。

ロールモデルのない現代、適職を見分ける能力が必要だと「科学的な適職」は主張しています。

現代ではロールモデルがなくなりつつあるため、社会変化への適応が求められる傾向にあるのです!

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仕事選びの幻想から目覚める|科学的な適職

書籍「科学的な適職」の要約内容を参考にして仕事選びの幻想を捨てるイメージ

適職を見つけるポイントは、仕事を選ぶときに抱きがちな幻想から目覚めることです。

仕事選びにあたり、多くの人が7つの幻想を抱いていると「科学的な適職」は指摘しており、次で紹介している「仕事選びに抱きがちな7つの幻想」は捨てるべきだと推奨されています。

参照:「科学的な適職」

仕事選びのときに捨てるべき幻想
①好きなことで仕事を選んでいる

書籍「科学的な適職」における仕事選びに捨てるべき幻想「好きなことを仕事にする」のイメージ

仕事選びのときに捨てるべき幻想①は、「好きなことで仕事を選ぶこと」です。

なぜなら、歴史に名を残す偉人や今に生きる著名人でさえ、自分が好きなことを仕事にしていないからです。

例えば「スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)」が挙げられます。

ジョブズは好きなことを仕事に選んでいる?

スティーブ・ジョブズは初めから Apple を設立しようと考えたでしょうか。コンピュータが好きだったでしょうか。

じつはジョブズはコンピュータよりも、宗教やスピリチュアルといった哲学分野が好きでした。ノープランでとっさに海外まで足を運ぶほど哲学の類に興味をもっていたのです。

ここでもし、好きなことを仕事にしていたらジョブズは思想家になっていたことでしょう。しかしジョブズはIT経営者ですね。

また、ナポレオンは小説家を目指し、ゴッホは聖職者を希望していました。しかしナポレオンは軍人、ゴッホは画家ですね。(ゴッホは聖職者になれなかったため画家を目指したとも言われています)

歴史に名を残す人たちでさえ、好きなことを仕事にしていないことが分かります!

好きなことを仕事に選ぶと仕事が長続きしない?

仕事選びの幻想「好きな事を仕事にする」が根拠として挙げられる実結結果があります。

実験の内容は次のように2つのタイプに分けて、どちらが幸福であるかを比較したものです。

  • 自分の好きなことを仕事にする人=「適合派」
  • 今の仕事を好きになろうとする人=「成長派」

結論、「適合派」は仕事が長続きしないという傾向が表れ、「成長派」はグロース・パッションが生じやすく、トラブルに強い精神を持つという傾向が表れました。

グロース・パッションとは、「注いだリソースの分が情熱を成長させる」という心理学における考え方です。
つまり「何かに取り組んでいるうちに情熱が生まれる」というものですね。

多くの人は「情熱があるから努力をする」と捉えてしまっているようです!

「適合派」「成長派」実験結果の詳細

「適合派」自分の好きなことを仕事に選ぶ人
結論:自分のイメージと合わなかった場合に失望しやすいため仕事が長続きしない
詳細:好きなことを仕事に選ぶため理想が大きく、仕事の中でやりたくない業務が発生したり、自分のポジションが気に入らなかったときに仕事への失望の度合いが大きい

「成長派」今の仕事を好きになろうとする人
結論:
グロース・パッションが生じやすく、またトラブルに強い精神性を持つ
詳細:
今の仕事に注いだ分だけ情熱が生まれやすく、その情熱によって様々な問題へ対応できる傾向を持ち、物事を最後までやり遂げる

参照:「科学的な適職」

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仕事選びのときに捨てるべき幻想
②お金で仕事を選んでいる

書籍「科学的な適職」における仕事選びに捨てるべき幻想「お金で仕事を選ぶ」イメージ

仕事選びのときに捨てるべき幻想②は、「お金で仕事を選ぶこと」です。

「お金で仕事を選ぶと幸福感は満足に得られない」と「科学的な適職」は主張しています。
ここでは「給料と満足度の相関関係」に注目していきたいと思います。

「給料と満足度の相関関係」

給料と満足度を数値化し、それぞれの関係性を求めた結果。

数値1が完全一致を表すとき、数値0.5以上であれば関係があるとみなされ、数値0.15になるとほとんど関係しないという傾向が現れました。

参照:「科学的な適職」

 「給料と満足度の相関関係」は何を表しているのか

  • 年収が倍に増えても、幸福度は決して倍に増えない
  • 年収400万円からの幸福度アップは難しい
  • 年収400万から800万へは、ゆるやかなさかのようにしか幸福度は上がらない
  • 年収800万円を超えると幸福度はほぼ変わらない

実はこの法則、度々ニュースでも取り上げられるほど有名ですよ!

仕事選びのときに捨てるべき幻想
③伸びる業界や業種で仕事を選ぶ

書籍「科学的な適職」における仕事選びに捨てるべき幻想「これから成長する業界や業種で仕事を選ぶ」イメージ

仕事選びのときに捨てるべき幻想③は、「伸びる業界や業種で選ぶこと」です。

どんな専門家でも「伸びる業種が何かはわからない」と言われています。
その理由として、ペンシルベニア大学の実験で行われたデータがあります。

学者や評論家を数百人集めて、3〜5年目先の経済状況の予測を毎年行いました。
その結果、未来の経済を当てた割合人数は約50%となりました。

参照:「科学的な適職」

伸びる業種が何かを特定することは、専門家でも2分の1の確率でしか推測できないという結果になりました。

素人が予測するのと何も変わらないことが判明したのです!

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仕事選びのときに捨てるべき幻想
④楽かどうかで仕事を選んでいる

「科学的な適職」における仕事選びに捨てるべき幻想「楽かどうかで選ぶ」イメージ

仕事選びのときに捨てるべき幻想④は、「楽かどうかで仕事を選ぶこと」です。

例えば「指示するだけで1日の仕事を終えられる経営者」は、一見は楽そうに見えますが、必ずも幸福ではないと「科学的な適職」は主張しています。

この理由については、後述にある「幸福には適度なストレスが必要」で解説しています。

仕事選びのときに捨てるべき幻想
⑤性格テストで仕事を選んでいる

「科学的な適職」における仕事選びに捨てるべき幻想「性格テストで選ぶ」イメージ

仕事選びのときに捨てるべき幻想⑤は、「性格テストで仕事を選ぶこと」です。

占い雑誌や就活サイトなどで性格テストを見かけたことがあると思いますが、「適職が見つかる保証はない」と「科学的な適職」は主張しています。

また、フロリダ州立大学の研究によると、「人間の性格を分けて最適な職業を見つけるテスト」を行った結果、ほとんど効果がなかったようです。

参照:「科学的な適職」

同じ人でも違う日に受けると別の診断結果が表れることもありますよね。

仕事選びのときに捨てるべき幻想
⑥直感で仕事を選んでいる

「科学的な適職」仕事選びに捨てるべき幻想「直感で選ぶ」イメージ

仕事選びのときに捨てるべき幻想⑥は、「直感で仕事を選ぶこと」です。

「己の直感を信じると道は開ける」といった言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、職業選択においては間違いだと「科学的な適職」は主張しています。

直感と論理を天秤にかけたとき、人生の選択においては、論理的に考える人の方が人生の満足度が高く、日々のストレスも低い傾向にあるようです。

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仕事選びのときに捨てるべき幻想
⑦自分の適正で仕事を選んでいる

「科学的な適職」における仕事選びに捨てるべき幻想「適性で選ぶ」イメージ

仕事選びのときに捨てるべき幻想⑦は、「自分の適正で仕事を選ぶこと」です。

米ギャラップ社が開発した才能診断テスト「ストレングスファインダー」というツールがあります。

ストレングスファインダーとは、質問を通して自分の強みを判明させるオンラインサービスなのですが、これを利用して適職を見つけることはオススメできないと「科学的な適職」は主張しています。

その理由は2つです。

  1. 職場内に自分と同じ強みを持つ同僚が少ないとき、仕事の満足度が上がる
  2. 仕事の満足度と自分の強みは有意義な関係性だが、相関関係は小さい

強みが被ると他の人と比較したり、劣等感を感じるようになるので、幸福度が下がる原因が生まれてしまうのです!

幸福には適度なストレスが必要|科学的な適職

書籍「科学的な適職」より、自分に合う難易度を達成して幸福を得ているイメージ

幸福には適度なストレスが必要だと「科学的な適職」は主張しています。その理由として挙げられるのは「難易度と技術の関係」です。

「難易度と技術の関係」とは、仕事の難易度が自分の技術に相当するとき、最も「やる気」が発揮されると判明した実験のことです。

難易度と技術の関係
  1. 高い難易度に低い技術の人が当たれば「不安」が生じる
  2. 低い難易度に高い技術の人が当たれば「退屈」が生じる
  3. 低い難易度に低い技術の人が当たれば「無気力」が生じる
  4. 難易度が自分の技術に相当するとき「やる気」が生じる

したがって、楽かどうかで仕事を選ぶのではなく、自分に合った難易度の仕事、それが幸福の要素である「やる気」をもたらすことになります。

参照:科学的な適職

前述にあった「指示するだけで1日の仕事を終えられる経営者」は、幸福ではなく「退屈」がもたらされていたのです!

仕事選びの基準「7つの徳目」|科学的な適職

「科学的な適職」では、仕事の幸福度を決める要素として「7つの徳目」が解説されています。

「7つの徳目」が達成されるほど、どんな職場でもその人の幸福度は上がると言われているため、適職の基準として重要な項目です。

【 7つの徳目 】
  1. 自由:その仕事で自分が自由にできる権利はどのくらいあるか
  2. 達成:自分が進歩している感覚を得られているか
  3. 焦点:自分のタイプが攻撃型or防御型のどちらか
  4. 明確:仕事の内容やビジョン、評価軸は明確か
  5. 多様:業務の内容がバラエティに富んでいるか
  6. 仲間:組織内に自分と似た人や助け手がいるか
  7. 貢献:他人の生活に影響を与えられているか

適職の基準「7つの徳目」
①自由

「科学的な適職」七つの徳目における「自由」のイメージ

適職と言える基準①は、仕事内容の裁量権が自分にあるかです。

仕事内容の裁量権とは、「仕事をする時間や場所、作業量は自分でどのくらい自由にコントロールできるか」ですね。

仕事には様々な業務がありますが、それらを自分でどれくらい自由に選べるかを基準にして、適職かどうかを見極めることが重要です。

「7つの徳目」の中でも初めに紹介されるほど重要な項目です!
実はこれが適職かどうかの正体と言っても過言ではないようです!

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適職の基準「7つの徳目」
②達成

「科学的な適職」七つの徳目における「達成」のイメージ

適職と言える基準②は、自分が進歩している感覚を得られるかです。

同じ作業をずっとやると苦痛を感じやすいですが、進歩している感覚や達成感があると、人は幸福を感じたり、やる気が湧いてくる傾向にあります。

このとき、得られる進歩や達成感は小さなものでも良いとされています。
仕事の中で「小さな達成感」や「小さな進歩」を感じられる環境かどうかが重要です。

例えば、達成感や進歩状況がその日のフィードバックとして返ってきたり、お客様の声として反映されるなどですね。

飲食店も良い例です。
調理人にとっては、自分の料理を「美味い!」と言いながら食事している人を見ると、幸福を感じたり、やる気も湧いてきますよね。食事をしている人が見える位置で調理できることは良い環境と言えるのです。

また、2つのポイントカードで比較した実験があります。

  • 10ポイントで景品と交換できるポイントカード
  • 11ポイントで景品と交換できるが予め1ポイント溜まっているポイントカード

どちらの方でポイントを貯めようとするかを実験してみると、後者の方がポイントを貯めようとする結果となりました。
どちらも貯めるポイントは同じですが、予めポイントが貯まっていた方が人は行動することが判明したのです。

進歩している感覚が、より人をやる気にさせるのですね!

適職の基準「7つの徳目」
③焦点:自分は攻撃型か防御型か

「科学的な適職」七つの徳目における「焦点」のイメージ

適職と言える基準③は、仕事が自分のモチベーションタイプ「攻撃型」「防御型」に適合しているかです。

人はモチベーションの上げ方が2パターン存在し、それぞれ「攻撃型」か「防御型」に分類されるようです。

攻撃型:リスクよりもスピード重視
自分を最高の状態にしようとイメージして、いち早く行動する

防御型:安定重視
最悪の状態を想定して、そのリスクを避けようと行動する

自分のモチベーションが「攻撃型」「防御型」のどちらにあるかによって、自分に適した仕事も変わってきます。

攻撃型の適職
クリエイター、コンサルタント、アーティスト、テクノロジー関連

防御型の適職
経理関係、弁護士、データアナリスト

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適職の基準「7つの徳目」
④明確

「科学的な適職」七つの徳目における「明確」のイメージ

適職と言える基準④は、仕事の内容と報酬が明確かどうかです。

「何をすれば良いか」「どれくらい達成したら報酬がもらえるか」
これらが明確かどうかが重要となります。

仕事で結果を出しても、上司との関係が良くないために昇進できないとなると、モチベーションが上がりませんよね。

良い例として挙げられるのは、仕事内容と報酬を明確化した企業 Amazon です。
企業へどのくらい貢献しているかを示した社員の評価リストを作り上げたことで、「どのくらいやれば相応の報酬がもらえる」ことが明確になり、社員のモチベーションをアップさせているようです。

適職の基準「7つの徳目」
⑤多様

「科学的な適職」七つの徳目における「多様」のイメージ

適職と言える基準⑤は、仕事の内容がバラエティに富んでいるかです。

業務効率化のために役割分担を行うグループがほとんどだと思います。

ところが、同じ作業の繰り返しは雇用されている人の満足度を低下させる要因です。
一方で、業務効率が多少下がっても、一連の工程に携わっている方が人の満足度を高めるようです。

良い例として挙げられるのは、制作会社の PIXAR です。

PIXARは離職率が高い時期がありました。その原因は完全分業制です。キャラクターだけを作る人、キャラクターの衣装だけを作る人、映像の背景だけを作る人、テキストだけを作る人…と、役割を分担して同じ作業を数年やっていくと、社員の満足度が低下してしまったのです。そこへさらに、他の企業からヘッドハンテングされてしまい、優秀な社員が高い給与の仕事へどんどん転職してしまった時期があったのです。

そこでPIXARは解決策として、他の業務内容への専門知識を無料で学べるように仕組みを変えました。
つまり、キャラクターのセリフだけを作っていた人が、CG制作を行えるようになったのです。

これによって、一時的には作業効率が低下しますが、長期的に見ると良い傾向にあり、社員の満足度が向上するようです。

専門職ならではの欠点がメンバー同士でシェアされることで、それが改善される利点もあります!

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適職の基準「7つの徳目」
⑥仲間

「科学的な適職」七つの徳目における「仲間」のイメージ

適職と言える基準⑥は、自分と似た人が多いかです。

「科学的な適職」のデータによると、友人が職場に3人以上いると「人生の満足度が96%異なり、仕事でもらえる給与への満足度も2倍変わる」という結果が述べられています。

友人の見つけ方は、自分と似ている人を探すことです。
人には類似的効果が備わっており、「自分と共通点がある」「自分と似ている」と感じると相手に対して好意的な印象を持てるようです。

つまり職場に、「自分と似ている人が多い」か「自分と全く違うタイプの人が多い」とで、満足度が変わるのです。

適職の基準「7つの徳目」
⑦貢献

「科学的な適職」七つの徳目における「貢献」のイメージ

適職と言える基準⑦は、他人の生活に影響を与えているかです。

医療や教育の現場では、人のために貢献することを実感しやすいため、満足度が高い傾向にあるようです。
一方で、「この仕事は何の役に立っているのだろう」と疑問を抱えてしまう仕事は満足度が低い傾向にあります。

人がそのように感じてしまう原因は、「自尊心、親密感、自立性」から生じる欲求が他者への貢献によって満たされるようになっているからです。

  • 自尊心:自分には価値がある、能力があると思える
  • 親密感:人の役に立てたから自分は孤独ではないと思える
  • 自立性:誰かの指示ではなく自分の意思で行動していると思える

これらの欲求が満たされたときに人は満足度を得られやすく、人は貢献することで幸福度を感じるように精神構造化されていると述べられています。

「嫌われる勇気」でも、「貢献=幸せ」と述べられていましたね。

マトリクス分析で実践的に見つける|科学的な適職

「科学的な適職」マトリクス分析のイメージ

「科学的な適職」では、実践的に適職を見つけるための方法として「マトリクス分析」が解説されています。

マトリクス分析とは、「7つの徳目と職場の関係」を表に書き出して点数をつけていく自己分析のことです。

マトリクス分析の手順は次のようになります。

  1. 「マトリクス分析の表」を作る
  2. 「点数の付け方」(後述)を参考に表の空白を埋めていく

「マトリクス分析の表」

※今回は例として「入社先を選ぶ場合」としているため「A社、B社、C社」としています。

科学的な適職が要約するマトリクス分析に使える表のイメージ

 マトリクス分析「点数の付け方」

  1. ポイント①「基準」
    就業先や調べた情報を基にして、「7つの徳目」に当てはまるほど高く点数を記入します。(5段階で点数をつける)自分で感じた程度でOKです。
  2. ポイント②「比較対象」
    上の表のように「A社、B社、C社」と表の一番上の欄に横並びで比較対象を記入します。
  3. ポイント③「重要」
    「7つの徳目」のなかで、自分にとって重要だと思う項目に高く点数をつけます。(3段階で点数をつける)

(記述例)
「自由のある職場」が自分に必要だと思う場合は、「自由」と「重要」が交差した空欄に「3」と書き込む。
また、「業務内容のバリエーション」は自分に必要ないと思う場合は、「多様」と「重要」が交差した空欄に「1」と書き込む。なお、自分に必要な要素か分からない場合は「2」と書き込む。

以上を参考にして表を完成させた後、点数を合計します。
合計の算出方法は「基準×重要=合計」です。

一番高い点数の項目が自分に最も適していることになります。

意外と簡単でした!
実際に表を作ってみると分かりやすいです!

ジョブ・クラフティングで幸福度が分かる|科学的な適職

「科学的な適職」要約ジョブ・クラフティングのイメージ

ジョブ・クラフティングとは、自分の仕事をどのように説明しているかという概念です。

例えば、「あなたは仕事で何をしていますか?」という質問の回答は次の3パターンに分けられます。

  • 仕事の作業内容
  • 仕事で得られる報酬
  • 仕事の意義

このうち、自分が最も意識している項目の回答をすることになりますが、「仕事の意義」で自分の仕事を説明する人は、自分の仕事に誇りを持てていると著者は述べています。

「仕事の意義」は、七つの徳目の「貢献」と密接な関係にあります。そのため「仕事の意義」の意識が高い人は、「自分の仕事は他者に貢献している」という感覚を持ちながら仕事をしている傾向にあり、幸福度が高い状態と言えるのです。

つまり、「あなたは仕事で何をしていますか?」と質問されたとき、自分の仕事が他人に貢献している感覚を持つ人は「仕事の意義」で回答することが多く、幸福度も高い状態にあるのです。

また、貢献度が高くなっている状態を「ヘルパーズハイ」といいます。これは他者への貢献によって自分が高揚した状態を表し、日々のモチベーションやパフォーマンスが向上する性質を持ちます。

【要約まとめ】科学的な適職

今回の解説にあった「科学的な適職」の要約まとめです。

「科学的な適職」まとめ
  1. 仕事選びの幻想 を捨てる
  2. 七つの徳目 を参考にする
  3. マトリクス分析 で算出した最高値が適職と予測する
  4. ジョブ・クラフティング で仕事の意義と回答できるかチェック

「科学的な適職」では、適職を科学的に見つけるポイントが紹介されていました。

適職を算出して自分を客観的に知ることができる「マトリクス分析」は、軍隊の意思決定にも使われている手法で実践的な効果が見込まれています。

いろいろと応用に使えそうですね!

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「科学的な適職」著:鈴木祐
10万本もの科学論文を読破され、600人以上の学者や海外の専門家へインタビュー経験があるサイエンスライター

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